脳が「ゴミ屋敷化」している私たち

では、前頭葉の機能不全が、なぜビジネスパーソンにとって大きな問題なのでしょうか。私たちの頭では、情報の処理を以下の三段階で行なっています。

(1)情報のインプット
(2)情報の整理・整頓
(3)情報のアウトプット

『10万人の脳を診てきた脳神経外科医が教える 脳を休めて整える習慣』(著:奥村歩/三笠書房)

脳疲労によって前頭葉の機能が低下してしまうと、特に(2)の「情報の整理・整頓」がうまくいかなくなることが知られています。そして、情報の整理・整頓がうまくいかなくなった結果、脳がゴミ屋敷のような状態になってしまっているのです。

この状態では、いざというときに必要な情報が見つからず、適切な行動が取れなくなります。特に、マルチタスクや膨大な情報にさらされる現代では、情報の整理・整頓ができないことは致命的です。

例えば、あなたの脳を巨大な図書館だと考えてみてください。

この図書館には、毎日のように新しい本(情報)が次から次へと運び込まれてきます。そして、その本をジャンルごとに分類し、きちんと棚に収めてくれる優秀な司書(前頭葉)がいます。ちゃんと整理されていれば、必要なときに必要な本をサッと探すことができます。

しかし、もしこの司書が休む間もなく働き続けて、ヘトヘトになってしまったらどうでしょうか? 整理が追いつかず、多種多様なジャンルの本が、館内の通路に散らかり放題……。

そうなってしまうと、必要な本を探すのにとても時間がかかってしまいます。

これこそが、現代のビジネスパーソンが直面している「脳の現実」なのです。