心も体も、結局は「脳」が疲れていた

さて、それではなぜ、現代の30~50代が極度の脳疲労に陥ってしまっているのでしょうか。このことを考えるにあたって、まずは「疲労」「脳疲労」というものについて、もう少し掘り下げてみましょう。

あなたは今、疲れていますか?

ちょっとだけ、自分の体の声に耳を傾けてみてください。

「どちらかと言えば、疲れている」
「疲れているし、肩も凝っている」

恐らく、多くの方が「疲れている」と感じているのではないでしょうか。

実際、一般社団法人日本リカバリー協会が2024年に行なった大規模なインターネット調査「ココロの体力測定」によると、「疲れている(高頻度+低頻度)」と回答した人は78.3%にも上ります。

つまり、なんと日本人の約8割が、日常的に何かしらの「疲れ」を感じているのです。

<『10万人の脳を診てきた脳神経外科医が教える 脳を休めて整える習慣』より>

では、そもそも「疲れ」とは一体、何なのでしょうか? 

一般社団法人日本疲労学会では、「疲れ(疲労)」を次のように定義しています。

疲労とは過度の肉体的および精神的活動、または疾病によって生じた
独特の不快感と休養の願望を伴う身体の活動能力の減退状態である

この定義からもわかるように、古くから「疲労」は大きく二つに分けて考えられてきました。「身体的疲労」「精神的疲労」です。

私たちは普段の会話でもこれらを使い分けています。例えば「昨日は5キロメートルも走ったから疲れた」は身体的な疲労ですね。一方で「1日中、クレーム対応にかかりきりで疲れた」は精神的な疲労です。

しかし、この身体的疲労と精神的疲労は、はっきりと区別できないことも多くあります。心が疲れて、体がだるくなったり調子が悪くなったりすることもありますし、その逆に、体が疲れて、やる気が出なくなったり集中力が続かなくなったりすることもあります。私たちの毎日の活動のほとんどが、心と体の両方に負担をかけているため、「どっちの疲れが原因なのか」を特定するのは非常に難しいのです。

そこで近年、こんな考え方が注目されています。

身体的疲労も精神的疲労も、その根本的な原因はすべて「脳疲労」にある。

この新しい視点こそが、あなたの「疲れ」を解決するカギになります。