最初にそう感じたのは…
最初にそう感じたのは、稔幸さんでした。
稽古場に入ってこられた瞬間から、立ち居振る舞いが素晴らしく美しく、なぜかこちらの背筋まで、すっと伸びてしまいます。
ひとたびお話をすると、エレガントで、どこか可愛らしい女性なのに、お稽古場に立った瞬間に、
はい、皇帝陛下はもういらっしゃっています。
一切の迷いなく、フランツ・ヨーゼフ皇帝になられます。
元男役が男役に戻る、その切り替えの鮮やかさは、技術だけでは説明できません。
役と共に過ごしてきた時間。
舞台に立ち続けてきた記憶。
その佇まいに宿っているように感じます。
