相方ひぐち君は我が強かった

相方ひぐち君とコンビを組んで気づいたのは、彼の我の強さ。

やれ自分が書いたネタじゃないと嫌だ、やれボケがやりたいツッコミがしたいとわがまま放題。

山田ルイ53世
撮影:本社写真部

最初は根気強く話し合いで解決しようと努力したが、自分としては分かりきったことでも、なかなか納得してもらえない。あの日々がなければ、もう3年は早く世に出られたと思っているくらいだ。

貴族キャラに移行する際も、ちゃんとした衣装を買おうとか、胸に挿すバラは造花ではなく生花にした方が面白いと言っても、「お金がもったいない」と難色を示し、全てドンキで済まそうとした。大袈裟ではなく、今筆者のコンビが飯を食えるようになった様々な要素、衣装、乾杯漫才等々、全てのアイディアに最初ことごとく反対されたのである。党内野党さながらだ。

意見が違うたびに、話の通じない話し合いを続けることに疲弊した筆者は、ある時から、まずは相方のやりたいようにやらせることに方針転換した。もはや子育てである。

その結果、駄目だったら、

「ね、こっちの方がいいよね?」

と自分のアイディアを提示して、一歩ずつ前に進む。

自分のしたいように出来る領分を少しずつ拡大していったのである。

今ではあの頑固さも影を潜め、全て思うようにやってくれるようになったものの、思い出してもげんなりする過程であった。