あなたを危険にさらす「バレなければいい」という考え方

「モラルハザード」という言葉があります。これは本来、経済や保険の分野で「取引の当事者間で情報格差が存在する場合に、情報を有する側が自己の利益のために利己的な行動に出ること」という意味で使われます。

最近では、倫理観や道徳的節度がなくなり、「バレなければよい」という考えが醸成され社会的な責任を果たさないこと、という意味でも使われ始めています。「自分の行動が周囲や社会にどう影響するかを想像せず、モラルを放棄すること」と捉えるとわかりやすいのではないでしょうか。

(写真提供:Photo AC)

もし富士山の登山道がゴミだらけだったら、そこを歩く人の気分はどうでしょう? 自分も「まあ、少しくらいなら」とモラルを緩めてしまう人がいるかもしれません。

モラルハザードが怖いのは、一度その行為が表に出ると「自分もやっていいのでは?」と考える人が増え、モラルの低下が連鎖していくことです。こうして、公共の場での秩序がどんどん崩れ、一度崩れると取り戻すのが非常に難しくなります。

だからこそ、「ちょっとの悪ふざけ」や「軽いノリ」であっても、モラル違反は決して軽視できないのです。

モラルは、法律のように罰則があるわけではありませんが、社会の空気を作ります。一人ひとりが最低限のモラルを持っているおかげで、私たちは安心して日常を過ごせます。逆に、一人でもモラルを欠いた行動をすると、その場全体の空気が壊れます。

つまりモラルは、安全や信頼、治安に直結するものなのです。

モラルハザードは、その見えない安全装置を自分から外してしまう行為であることをしっかりと自覚しなければいけません。

神ポイント
・モラルとは、「していいこと」と「してはいけないこと」を誰も見ていなくても守れること
・モラルを守るとは、「正しいかどうか」よりも「誰かを危険にさらさないか」、「自分と他者の安心・安全を守っているかどうか」