役職定年は「巧妙な必要悪」
「役職定年で部長から外れた時は、業績絶好調だったんで『もっとやらせろ』と思って腹が立ったけど、今になって振り返ると業績不振になってから降ろされるよりも、役職定年だからと言われるほうが、割り切ってその後を明るく過ごせるかもしれないね」
確かに、年齢だけを理由に外されることには不条理感があるはずです。役職定年に頼らざるを得ない人事部の非力さも否めません。しかし、筆者は、役職定年は強制的に新陳代謝を促進する、巧妙な必要悪だと考えています。
役職定年になった「元・管理職」のみなさんには、「自分の能力不足のせいじゃない。単なる年齢基準だから」ということで、管理職ポストへの未練を断ち切って、新たな役割に目を向けてほしいと思います。企業の目的は新陳代謝なので、役職定年がある会社では管理職復帰が叶うことはないからです。
※本稿は、『定年前後のキャリア戦略-データで読み解く60代社員のリアル』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。
『定年前後のキャリア戦略-データで読み解く60代社員のリアル』(著:藤井薫/中央公論新社)
30年、40年、それ以上にもわたる会社員生活。60歳以降もなぜ働くのか、どう働くのか。
本書では、企業勤めの50代後半~60代、約5000人を対象とした調査をベースに、シニアの働き方の今を追う。
渦中の60代はもちろん、「明日はわが身」の50代にとっても、人生後半戦における「働くこと」との向き合い方を考えるうえで欠かせない1冊。





