入門先は、多くの棋士や女流棋士を育てた名伯楽の故・高柳敏夫名誉九段です。中学3年での弟子入りはかなり遅く、自分の勉強の足りなさに打ちのめされました。
師匠には入門してすぐ、「タイトルを取るまで、恋愛するな、化粧するな」と厳命されて。年頃の女の子に窮屈なことを、と思いましたが、帰宅してよくよく考えると、「師匠から見て、私はタイトルを取る可能性があるってこと?」と(笑)。楽観主義で物事のいい面を見ようとする性格には、その後も助けられました。
私にはできる。そう自分に暗示をかけ、高校の授業と睡眠、食事の時間以外はすべて将棋に捧げ、雨の日も雪の日も悔し涙を流した日も、師匠の道場へ通って修業を続けました。そして翌年の16歳でプロデビュー。19歳には女流名人位戦で初タイトルを獲得できたのです。
これで恋愛解禁とウキウキしたのですが、師匠には「結婚は23歳までご法度」。「まあ25歳まで待ちなさい」と延ばされ、今に至ります(笑)。ただそうして脇目もふらず将棋に邁進できたおかげで、2000年には当時の女流タイトルすべての永世称号(クイーン四冠)を獲得できたのだと、今は心から感謝しています。