将棋界のために一歩ずつ
現在(11月4日時点)、女流棋士のお二人――白玲のタイトルを4期獲得した西山朋佳さんと、棋士編入試験の受験申し込みを受理された福間香奈さんが、〈女性棋士〉への挑戦のまっただなか。同時に女流棋士全体の実力もレベルが上がり、公式戦で男性棋士から高い勝率を挙げる人も珍しくなくなりました。
それは女流棋士の皆さんが頑張った成果であって、周囲が勝率を高めることも勝たせてあげることもできません。私が運営にたずさわることでより安心して対局に臨める――というより、安心して休める環境を作っていきたい。
なぜかといえば、自分もそうだったと反省するのですが、勝負師の血が騒ぐと、熱があろうが体調が悪かろうが、周囲の心配をよそに這ってでも対局に来てしまうのです(苦笑)。妊娠・出産を含めた女性ならではのライフワークバランスと、増えてきた棋戦のスケジュール調整など新しい課題に取り組んでいます。
私がいつも扇子などに書いている揮毫(きごう)は、「一歩氷心(いっぽひょうしん)」。透き通るような清らかな気持ちで一歩一歩大切に進む――を意味します。
将棋で天辺を目指すと決めたときから、私の人生は個の勝負でした。けれども理事となり、会長として今はチームワークで物事を進めることが楽しいと感じています。将棋界がどんな「次の一手」を指すか、期待を持って見守ってくださればありがたいです。
読者の皆さんには、将棋はコミュニケーションツールとしても、また手先を使って先を読むということで脳活としてもおすすめできます。東京と大阪の将棋会館には駒から棋士のグッズまでいろいろ取り揃えていますので、お気軽にお越しください。
道場のレッスンにご参加いただくのも大歓迎。男性ばかりというイメージにとらわれず、わくわくする勝負の世界に一度いらしていただけたらと思います。
