私は試合前は良いイメージだけを思い浮かべ、ほとんど緊張せずに挑むタイプです。警告を受けても動じずに、冷静に対処できることも強みだと思っています。それでもパリ五輪のときのようなエラーは起こる。今後どう対処していくかを考えたとき、強く意識するようになったのが、自分の状態を言葉で説明できるようにすることでした。
たとえば、私はレース中にペースを切り替えたときや、疲れが出てきたときに、足が地面から離れて反則をとられやすい。それを感覚で修正するのではなく、「この場面では、どうしたら足を低くしておけますか?」と、トレーナーやコーチに具体的に質問して、ポイントをお互い言葉で理解し合うようにしました。
競歩の練習は、踵のどこに力を入れて蹴り出し、どの指のつけ根で地面に接するかなど、気が遠くなるような細かい調整の繰り返しです。2~3年前までは感覚で行っていたことも、一つ一つ言葉にして確認することで、明らかにフォームが改善され、成果も上がってきました。
実は世界陸上でも警告を2度受けたのですが、給水所にいたコーチが第三者目線でアドバイスをくれて。練習での会話を頭に思い浮かべ、「こう修正すればいい」と冷静に対処できたことが、銅メダルにつながったのだと思います。
世界で戦うために、これからも言語化できる力を自分の強みにしていきたいです。