noteが主催する「創作大賞2023」で幻冬舎賞を受賞した斉藤ナミさん。SNSを中心にコミカルな文体で人気を集めています。「愛されたい」が私のすべて。自己愛まみれの奮闘記、『褒めてくれてもいいんですよ?』を上梓した斉藤さんによる連載「嫉妬についてのエトセトラ」。第22回は「いつまでも〈男と女〉の夫婦が羨ましい」です
夫婦の関係性ばかり気にしてしまう
街を歩いていると仲の良さそうな夫婦に目がいく。子どもがいる、結婚指輪をつけていることで夫婦と予想したそのカップルたちが、どのくらい男女っぽいかを観察してしまう。
はっきり言うと、男女としての営みがあるのかどうか、想像してしまう。
いやらしい意味ではない。いや、いやらしい意味か。私がさぐっているのは、二人の間に流れる湿度や男女の気配だ。あの人たちはしてるのかな。この人たちはどうかな。見る人見る人、していそうかしていなさそうかばかり考えてしまっている。中学生か。
信号待ちで触れ合う肩、ベビーカー越しに交わす視線。パパとママではなく、まだ男と女の匂いが残っている夫婦を見つけると、私の胸はチクリと痛む。
なぜなら私たち夫婦にはその湿度がほとんどもう無いからだ。
