無理せず楽しく取り組もう
私たちの脳は、年齢とともに少しずつ萎縮していきます。それに伴う認知機能の衰え方は個人差が大きく、ご高齢で頭がしっかりしている人も珍しくありません。その差はなぜ生まれるのでしょうか。
脳は、失われた機能が回復・向上する性質「可塑(かそ)性」を持っています。これは、年齢や老化のスピードに関係なく誰にでも備わっている力。「もう年だから」と諦めて何もしなければ衰えは進んでいくばかりですが、脳に《適切な刺激》を与えれば、何歳になっても認知機能を鍛えることはできるのです。
脳の萎縮を抑え、若々しさを保つカギとなるのが、6つの生活習慣。家族や友人との「(1) 会話」や、「(2) 趣味」を楽しむことは、脳の神経細胞やさまざまな領域に活発に働きかけ、可塑性を高めます。「(3) 運動」は、記憶をつかさどる海馬の神経細胞の新たな産生を促進。脳の健康を維持するためには、バランスのよい「(4) 食事」で栄養を補給することも不可欠です。
また、「(5) 睡眠」には脳の疲れをとる、脳に溜まった老廃物を除去する、といった重要な役割が。最後に大切なのが、「(6) 主観的幸福感」を高める習慣。自分は幸せだと感じるほど、ストレスが減り、脳の健康につながります。
すべての習慣に共通して言えるのは、無理せず楽しく取り組むのが前提だということです。「脳の健康のためにXXしなければならない」など、自分を追い込んだり我慢したり、心身へのストレスになっては逆効果。海馬の神経細胞の新たな産生を抑制して脳の老化を進め、認知症を引き起こす要因にもなりかねません。
では、具体的に何をすればいいのか、次ページからお伝えします。誰もが実践しやすく、効果が大きい習慣から順に紹介しますが、自分ができそうなことから始めてみてください。一つでも生活に取り入れれば、脳は元気になっていくでしょう。