チューリップはこの辺にもっともっと咲き誇る。後ろはリンゴの木。(写真提供:『今だからわかること 84歳になって』/KADOKAWA)
彫刻家・舟越保武の長女、舟越桂、直木の姉として芸術一家に生まれた末盛千枝子さん。絵本編集者を経て、すえもりブックスを設立。たくさんの絵本や、上皇后美智子さまの本などを出版してきました。そして84歳の今、東京から移住した、岩手山を望む家にひとりで暮らしています。そんな末盛さんが歳を重ねてわかったこととは――?大切にしている時間や習慣などを綴った著書『今だからわかること 84歳になって』より、一部を抜粋して紹介します。

支えられて

この春も、東側の窓の下に、色とりどりの美しいチューリップが一斉に開きました。シルバー人材センターの人が、私から見えやすい場所にと、球根を植えてくれていたのです。

私の日々の生活は、多くの人のサポートによって支えられています。シルバーさんには、引っ越し当初からお世話になっていて、二人一組で1週間に1回1時間、掃除や庭の手入れに来てくれます。

天候や土のことなど、この土地ならではの術を身に付けていて、草花の植え替えなどでも、こんな風にやるんだって、驚くことがいっぱいです。

今は、1週間に3回、体のケアや生活回りの細々したことで、ケアマネジャーさんと3人のヘルパーさん、リハビリのお兄さん(と言っても、4人の子どものお父さん)の力を借りています。先日は、お風呂場にアリの大群が発生。居合わせたヘルパーさんが、すぐに退治グッズを買ってきて、撃退してくれました。