キャリア教育の「好きなこと探し」の弊害

上司から仕事を頼まれた際に、

「私、そういうことには、あまり興味がないんです」

『すぐに「できません」と言う人たち』(著:榎本博明/PHP研究所)

といった反応をするというものがあった。

「自分は興味がない」と言って与えられた仕事を断る。上司から仕事を振られた際に、自分が興味あるかどうかで引き受けるかどうかを決める。このような、かつてなかった反応に困惑する上司の気持ちはよくわかる。

なぜ自分の興味がないことはしなくてもいいと思うのだろうか。

好きなことをしていれば楽しい。それは当たり前だ。好きでないことをするよりは好きなことをしていたい。好きでないことを頑張るのは難しいが、好きなことなら頑張れそうな気がする。だれだってそうだろう。

だからといって、好きなことしかやる気になれない、好きなことしか頑張れない、ということでいいのだろうか。

遊びなら好きなことだけしていればいいし、部活動なら好きな活動を選べばいい。でも、好きなことしか頑張れないというのでは、職業生活を乗り切っていくのは難しい。

そもそも好きなことだけして生きられる人がどれだけいるのだろうか。そう考えると、キャリア教育で行われている「好きなこと探し」に意味はあるのだろうか。