植物を礼賛し続けること
さて、俺の尊敬する作家、かつ園芸家にチェコのカレル・チャペックがいます。『園芸家12カ月』という名著があり、それが日本で翻訳されていなければそもそも俺はこんな風に栽培日記を書くこともなかった。
そのチャペックはヒットラーらファシストがドイツで台頭する間も、苛烈にファシズムを批判し、同時に自分の庭での園芸をやめることなく、花や葉や根についてだけひたすらストイックにものを書き、ついにはチェコに侵攻してきたゲシュタポが逮捕のため彼の庭を急襲した時には、その鼻を明かすようにとっくに亡くなっていた人でした。
ちなみに彼の著作の挿絵で有名な兄、ヨゼフ・チャペックはナチスの強制収容所で命を落とします。
こうして植物を礼賛し続けることにも、意味はあるのです。そして寄る辺ない日の重なり、暴力的な言葉が飛び交い、悲惨なニュースが輪をかけて悲惨に放送されるような毎日の中で、俺たちがどれだけ長く良心を明け渡さずにいられるかにも園芸は大きな役割を果たすのではないでしょうか。すなわち諸君、これは園芸という不服従なのであります。
