滝沢カレンの愛読書
『霧のむこうのふしぎな町』
柏葉幸子 竹川功三郎絵
「本って、四角いんですよ」
滝沢カレンさんが言いそうなことを書いてみた。そんなふうに、人とフォーカスのあう部分がずれた発言が面白がられている人だ(「ピントが」ずれているのではない。あくまでもピントはあっていて、そのあわせた近さ遠さが他の人と違うのだ)。
愛読書についてのインタビューでも「絵本が好きでした。文章だけだとゼロからの想像になってしまうので大変ですが、挿絵があるとイマジネーションが湧くから」と語る(Web「小説丸」20年11月5日公開)。
誰もが知っている絵本の「効能」をゼロから律儀に説明する。「10ページに2回くらい挿絵が出てくるだけ」だから「想像を自由に広げて、そのあと挿絵を見て」読みふけったという。いろんな有名人の、本を推薦する言葉を読んできたが、挿絵の頻度を教えてくれる人は初めて。
そのフォーカスのズレを「天然」とか(少し前の言葉で)「不思議ちゃん」などと意地悪な目でみる人もいるかもしれないが、滝沢さんのほうは何事も少しも意地悪い目でみていない。目の前の誰にも分かるよう、平等に説明しているふうで、そんな「大人」にはなかなか出会えないので、ちょっと感動する。