冷静さと優しさ
本の内容は、夏休みを不思議な町で過ごす少女の体験記だ。風変わりな店を手伝い、小鬼やトラなどと交流する。冒険でなく「生活」に主眼の置かれたファンタジーで、もっぱら本の整理やお茶を入れたり掃除をしたりで過ごしている。
大冒険というふうではない。主人公は不思議な住人たち皆のことをフラットに受け止めて楽しむ。そこには、不思議さの深みにはまりすぎない冷静さと優しさが感じられる。
「物語が終わってしまうのが嫌だったから、途中まで読むと霧を探しに外へかけ出すんです。まぁ、夏だから霧はないんですけど(笑)」と笑う滝沢さんが、これ1冊だけで人格形成されたわけはないが、ルーツとしての納得感が深い、四角い本だった。
※本稿は、『有名人の愛読書、読んでみました。』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。
『有名人の愛読書、読んでみました。』(著:ブルボン小林/中央公論新社)
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