カノコかあさん、ここのところ長女に振り回されている日々だった。ときどき報告が来るけど「大変だねえ、(カノコもサラ子もトメもあたしも)大変だったよねえ」と言うことしかできない。こないだ一緒に行ったマンチェスターでも「これから学校の先生たちとオンラインのミーティングがある」と真夜中に部屋に帰っていったのだった。
「カノコのふきげん製作所」(笑)。そしてトメは「おなか ほっぺ おしり そしてアライグマ」。あと十年もしたら「トメのふきげん製作所」に突入していく。
人間ってくり返す。ほんとにね……(ため息)。でもいいのは、祖母にはそのふきげんが向かってこないこと。十三歳も十歳も、祖母にはとてもナイスなんであります。
祖母は少し離れたところで母と日本語をしゃべっている。で、振り向いて、なまった英語で「I love you!」と言ってくれる。
祖母は自分の危機には駆けつけてくれるだろう(と孫が思ってるといいな、と思う)。でも祖母は、母の母だから、駆けつけても、つねに母のそばに立つのだ。
そういえば、アライグマ娘が何度も聞いてきた。「ババもわたしのママ?」。
トメが何度も答えていた。「のー、ババはママのママ」。
『対談集 ららら星のかなた』(著:谷川 俊太郎、 伊藤 比呂美)
「聞きたかったこと すべて聞いて
耳をすませ 目をみはりました」
ひとりで暮らす日々のなかで見つけた、食の楽しみやからだの大切さ。
家族や友人、親しかった人々について思うこと。
詩とことばと音楽の深いつながりとは。
歳をとることの一側面として、子どもに返ること。
ゆっくりと進化する“老い”と“死”についての思い。






