長政は後に、信長に反旗を翻すことになりますが、その境遇を自分のなかにしっかり落とし込んで、魂を通わせて、歴史上の人物としてではなく、戦国時代の一人の武将をちゃんとお見せできたらと思っています。
長政のその行動によって宮崎あおいさん演じる市との別れもあり、ラブロマンスを見せることにもなりますから。観てくださる方にそこにも気持ちを寄せていただけるように、演じられたらと思います。
表現することが好きなのは、小説家の国木田独歩と関係があるか、ですか? 取材を受けるとよく聞かれるんです。国木田独歩の玄孫(やしゃご)であることをどう思うか、というようなことを。みなさんそういう話が好きなんだなと思うし、聞かれたら、「関係ないと思う」と言いたくなるんですよね(笑)。
でも、彼のいくつかの言葉は僕も好きです。独歩が言っているのは「万物に感動しろ」ということですから。感動することが幸福だと僕も思っていますし、芝居はそれを実際に行っていると思うんです。つまるところ、世界と人を愛でているのが芝居だなと。
プライベートでも感動することはたくさんありますよ。昨日も久しぶりに近所の神社に行って手を合わせたんです。ありがたいことに今は仕事が続いて、素敵な方々に出会えて、こうした取材までしてもらえるようになって、どうかこれがこの先も続きますようにと。
そうしたら次の瞬間、お社に西日が差して、えも言われぬ美しい光景を目の当たりにすることになって。あぁ、この瞬間が最高じゃないかと、それで満たされた気分になりながら、さらにこういう最高の瞬間が続いたらいいなと、ものすごく感動したんです。
そういう、気づくか気づかないかみたいな小さな幸せに気づけるように、これからも心を磨いておきたいですね。
