勝手にお湯に漬けない

ぬいさんとお風呂。

まず、ぬいさんと一緒に、脱衣所に。

「一緒にお風呂、はいろうねー」

とか言いながら、自分は服を脱ぎ、ぬいさんは大体の場合裸だから、脇において。

自分が風呂場にはいる。まず、ざっとシャワーなんかで自分の体を流して、そして、脱衣所にいるぬいさんを手にとって。

「はい、お風呂だよー」

って、ぬいさんをお風呂場に連れ込んで。

「はい、じゃあ、○○さん(ここにはぬいさんの名前がはいる)、シャワーだよ」

で、ぬいさんにシャワーを浴びせかける。(この段階で、ぬいさんを濡らす訳です。まだ、洗いません。)

「おお、○○さん、濡れたねー。じゃ、次は、私がお湯に沈みます」

こんなこといいながら、私、湯船に漬かって。それから、脇にいたぬいさんを手にとって。「次は、○○さん、お湯に漬かります。大丈夫だからね、私が脇にいるからね」

で……まあ……そのぬいさんの形状にもよるんですが……立っている動物形状のぬいなら、肩までお湯に漬からせて。わにみたいな、そもそも“立っている形状”ではないぬいは、それでも無理矢理縦にして、肩までお湯に漬からせて。

「はあい、肩まで沈みました。……どうかな、お湯に漬かって、ちょっとは体、ほぐれてきた感じ、ある?」

……訳は、ない、な。

だって私、この台詞、この子がお湯に漬かってから、ほぼ時間たたずに言っているもん。ただ……この時私、すでに一分くらい、お湯に漬かっている訳でして……“のぼせやすい私”は、この時にすでにのぼせています。でも、がんばって。

「このあと、私は、あなたのことを洗います。それは、あなたを綺麗にしたいからです。それ、納得して貰えてますか」

って、これは卑怯だな。だって、生まれて初めてお湯に漬けられたぬいさん……多分、怖くて怖くて、“嫌”だなんて言えないんじゃないかと……。

でも。ぬいぐるみの“汚れ”は、ある意味で“病気”かもって思ってる私は、押しきります。病気を治すのは、正義です。