希少資源の価格は上がるという原理
山が多く平地が少ないために耕作や工場建設などに使える土地が限られている、つまり、土地が希少資源という国があったとしよう。容易に想像がつくように、その国の地代はそれ以外の国と比べて高くなる。
希少資源の価格(正確には実質価格)は高くなるというのが経済学の基本的な知見だ。人口減の日本で希少資源は労働力だ。
しかも、昨今の人手不足が示すように、労働力の希少性は一層高まっている。長い目でみると、労働の値段である実質賃金が高まるのは必然だ。「好循環」が胸突き八丁に差し掛かっているのは事実だが、ここを乗り切れば一気に視界が開けると期待したい。
※本稿は、『インフレの時代-賃金・物価・金利のゆくえ』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。
『インフレの時代-賃金・物価・金利のゆくえ』(著:渡辺努/中央公論新社)
世界で先行していた物価の高騰=インフレーションが、日本でも2022年春から始まった。
それまでの慢性デフレから一転したのはなぜか――。
物価研究の第一人者がその謎を解く。




