マスクを着けて外出する際には熱中症に注意を
暑熱順化が進んでも、水分補給が不十分では熱中症を防ぐことができません。体内の水分や塩分(ナトリウム)が不足する脱水状態になると、汗や血液の量が減少し、体温を下げることができなくなるのです。
「体内水分量は加齢により減少します。また、水分は筋肉に蓄えられることから、一般的に筋肉量の少ない女性は保持できる量が少ない。外出自粛で運動する機会が減り、筋肉量が落ちていることも考えられますから、少しの発汗で脱水症に陥る場合も。
軽い脱水状態ではのどの渇きを感じないため、普段からこまめに水分を補うことが大切です。食事の前後のほか、起床時、10時、15時、就寝前などに1回200mLほどの水分を摂取する習慣をつけるといいでしょう。コーヒーや緑茶に含まれるカフェインには利尿作用があるので、水や麦茶がおすすめです」
汗を大量にかく運動の前後や、脱水症、熱中症が疑われる場合は、スポーツドリンクや経口補水液を利用するのも手。汗とともに失われる塩分などのミネラルを補い、体液の電解質バランスを改善してくれます。
マスクを着けて外出する際にも注意が必要です。
「マスクを着用すると、湿気によりのどの渇きを感じづらいうえに、吸い込む空気が暖かいので体内に熱がこもりやすく、気づかないうちに脱水が進む場合があります。長時間外に出る場合は、こまめにマスクを外して水分補給と休憩を。休憩は屋外の木陰などではなく、冷房の効いた飲食店などで、しっかり体を休めましょう」
日頃の体調管理も大切です。
「糖尿病や高血圧、心疾患などのある人は脱水症になりやすい傾向があります。夏風や下痢、睡眠不足、二日酔いなどでコンディションの悪い日は、体温調節がうまくできません。毎日決まった時間に体温、体重、血圧、心拍数などを測って自分の健康状態を把握しておき、不調がある時は外出を控えるなどしてください」
次ページからは、熱中症の具体的な対策を紹介します。
熱中症対策にはどんな飲み物がよい?