何もかもが刺激的で瞳孔が開きっぱなしだった付き人1年目。2年目は、忙しくない時期に事務所で電話番をしている時間が無駄に思えて、新宿コマ劇場の上にあった小川亜矢子先生の教室でバレエを習い始めました。
通っていた夜の初等科クラスは公演が始まると行けなくなるので、朝のプロフェッショナルクラスに来ていいと亜矢子先生に言っていただいて。付き人の仕事がないときは朝も夜もバレエをしていた。
そして3年目。中・高・舞芸と、学校も3年だし、「石の上にも三年」という言葉もある。3年を区切りに、付き人というのは先生が第一だけど、そろそろ自分のことを第一に考えてみたくなってきた。それでその気持ちを書いた手紙を先生に渡したの。
先生は、「こういう考え方ができるようになったなら、どこに出しても恥ずかしくないだろう。残った仕事だけしっかりやって卒業しなさい」。先生の奥さんも、「役者はお金に口を出してはいけない。正道を歩むのよ」と送り出してくださいました。
劇団四季の舞台に立つようになったことも喜んでくれてね。「いっちゃん、切符買うよ」と二人で観に来てくれた。嬉しかったね。
