小学校の学芸会でお芝居をやった際、「セリフ回しが上手ね」とほめられたことがありました。人に自慢できる特技は何もなかったけれど、唯一ほめられたのがセリフ回しだったので、いまだに鮮明に覚えています。

かといって、若いうちから役者を目指したかというと、そうではなく……就職活動をする時期になり、会社勤めをしているイメージが湧かないな、と思って。

じゃあ、何かやりたいことがあるかしらと考えたとき、昔から演じることが好きだったと思い出して、「いっちょオーディションを受けてみよう!」と思い立ったのでした。

お芝居とはどういうものなのかも知らないまま、たまたま情報誌の『ぴあ』に小劇団の募集広告があったので、受けてみた次第で。初舞台でいただいた役がとても素敵だったこともあり、そこから芝居にどっぷり浸かってしまいました。

小劇団の舞台だけでは、もちろん食べていけません。まわりからは「生活が大変でしょう」と言われましたが、好きなことを続けるためのアルバイトだったので、別に苦ではなかったですね。

後にメディアの方々から「下積み時代」などと言われることも多かったのですが、自分としては純粋にお芝居を楽しめていた時代だと思います。

両親にいきなり「東京に行って芝居をやりたい」と言ったとき、一切反対されませんでした。それどころか、母からは「そうすると思っていた」と言われて。すべてお見通しだったんですね。

テレビに出るようになってからは、両親は画面を通して私の安否確認ができると、すごく喜んでいました。

後編につづく

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