初心に立ち返って

次に広辞苑や手元の辞書を引いてみたのですが、「重なる」の意味しか載っておらず、心配になってさらに他の辞書を探したところ、ようやく大辞林(第三版)に該当するものが載っているのを見つけました。

【層】

(1)上へ上へと積み重なっていること。また、その重なり。「――をなす」

(2)人を身分・生活程度・意識などによって区分した集団。「サラリーマン――」

『いじわるな日本語 ~校閲の現場から~』(著:産経編集センター校閲部/産経新聞出版)

などと記載されてあり、この(2)によって重なっていなくても「層」と呼べることが分かり、ほっと息をつきました。

ネット上の解説では(2)の意味も簡単に見つかりますが、出所が判然としないものもあって安易に根拠とすることができません。校閲記者になったばかりの頃、デスクからある言葉について意味を尋ねられた際、ネットではこう書かれていますと返答したところ、紙媒体の辞書を根拠とするよう指導を受けました。

今回部員から質問されたことによって、言葉の意味を一つ一つ理解した上で記事を読み解く必要性を再認識させられたとともに、手間はかかりますが辞書を引いて確信を得るようにするなど、初心に立ち返って仕事に取り組む良い機会にもなりました。