誰かがいてくれることで

『風、薫る』場面写真 りんと直美
(『風、薫る』/(c)NHK)

看護婦養成所に入学したりんと直美。ここから、2人がぶつかり、理解し合い、バディになっていく姿が描かれていく。

「今の時代は、自分ひとりでできることがどんどん増え、他者との交流は年々少なくなっているように感じます。でも、思いがけない不条理なことが起きたときに、自分ひとりでは乗り越えられないかもしれないけれど、手を携えていてくれる誰かがいることで一歩先に進めるかもしれないと思っているんです」と松園さんは語る。

バディドラマにした目的の1つに、「家族」という形を見つめ直したいという松園さんの思いもあった。鈴木さんは、史実では孤児ではなく、士族の娘。幅広く学問を学んだ人物だ。だが、直美は教会の前に捨てられていた子どもに設定を変更した。

「連続テレビ小説の基本はホームドラマですが、家族って何だろうという疑問がありました。血縁関係がないと家族だと言えないのか。家族に恵まれなかった人、家族がいなくなってしまう人もいる。今は、おひとりさまの時代だとも言われていますし、他者と出会って向き合い、共に生きることは簡単ではない。それでも、共に生きる先には何か尊いものがあるはず。直美を通じて、家族とは何かを描きたいと思っています」