考え続けること

劇中では繰り返し、りんが「間違えた」と選択を後悔する場面が登場する。母親がコレラに罹った幼なじみの虎太郎の手を握れなかった時、同じくコレラで命を落とした父親の信右衛門が看病を拒否したことを受け入れてしまった時――。

「医療や看護の世界では、何が正しくて何が間違っているのかを判断するのがすごく難しい局面が多くあると看護師の方々への取材から感じました。問題意識を持つこと、真摯に向き合い続けて考えることが大事だという姿勢で物語を進めていきたい」

看護婦に対する社会のまなざしも現代とは全く違う。当時は看護に関わる人は、お金のために汚い仕事を引き受ける人だと蔑まれていた。りんが正規に訓練されたトレインドナースを目指すことを打ち明けると、母親の美津は「病人の面倒を見る下女になるなど…」と厳しい表情に。りんと直美はこれから、看護婦を厳しく見る世間の目と戦っていくことになる。

「今とは違って江戸時代の身分制度の名残りがあり、貧富の差が激しい時代です。でも、看護を通じて、人と人とに起こる問題や精神性みたいな部分は今に通じると思っています。看護を学び始めた2人がどうやって絆を深めていくのか。あたたかく見守っていただければ」