《歩きスマホ》をしている人が怖い

富士吉田市には、ケガが落ち着いてからもう一度行きました。あのときのメンバーで、同じルートをたどったのです。件の側溝ではどこで顔をぶつけたのかを皆で分析し、「落ちた際に右の壁に顔を突っ込んだのでは?」と、さながら現場検証のようでした(笑)。

ドラマの聖地巡礼マップにも「ナイツ塙がハマった側溝」と記され、新たなスポットになっているそうです。

家族とも現地を訪れて、前回泊まれなかった「精進マウントホテル(ドラマ内ではレイクホテル浅ノ湖)」に宿泊しました。目の前に富士山を望む素敵なホテルです。子どもたちもドラマにハマっていたので、いい思い出になりました。

実は、骨折してから僕の中で変わったことがあって。まず、《歩きスマホ》をしている人を見ていられなくなりました。「足元を見て歩かないと危ないのに!」と、恐怖感を覚えるのです。

テレビの衝撃映像もダメですね。何かに激突したり、落ちたりした人の映像を面白おかしく紹介する番組がありますが、以前のようには笑えなくて。絶対にどこか傷めて病院に行ったはずだと、その後を想像してしまう。トラウマでしょうか……。

また、これは自戒を込めて言うのですが、やはりせっかちな性分の人はケガが多い気がします。余裕をもって足元に注意を払えば、どこに溝や段差があるかわかるはず。

あとは、自分の体が発するサインに目を向けることも大切です。そもそもあの日は、あまり体調が良くなかったんですよ。それでもせっかくだからと出かけて、大ケガをしてしまった。体の声に従うべきだったと反省しています。

僕らナイツの師匠である故・内海桂子も、2005年に東京駅の階段から落ち、手首を骨折しました。ご自宅に駆けつけたら、顔もものすごく腫れていて。そんな状態でも師匠は、「明日の東洋館に出ようと思っているんだけど」と言ったんですよ。「全部笑いにしちゃえばいいじゃない」と。

そもそも東洋館自体が、老いも含めて芸人の《ありのまま》を見せる場所なので、師匠もそうしたかったのでしょう。僕もそんな師匠の考え方を色濃く受け継いでいるなと、今しみじみ感じています。

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