引き取り手のない「無縁遺体」
2023年、総務省は引き取り手のない、いわゆる「無縁遺体」が全国で10万体以上あると公表した。無縁遺体は行旅病人及行旅死亡人取扱法や墓地、埋葬等に関する法律に基づき、死亡地の市町村(長)が火葬や埋葬を行うこととされている。
原則、その費用は死亡者の遺留金品から支払われるが、捻出が難しい場合には公金で充当する。このほか、葬祭を行う第三者がいるという場合には、生活保護法に基づく葬祭扶助が適用される。
いずれにしても、その対応の過程では、親族探しや遺体の引き取り交渉、遺留品の調査など、行政にとって負担の重い業務が待ち受けている。ようやく親族にたどり着いても、その引き取りを拒否されるケースは後をたたず、遺体の処理が滞るという事案が各地で確認されている。
例えば、読売新聞の調査では、主要自治体74市区中16市区が「無縁遺体を1カ月以上保管したことがある」と回答している(読売新聞2024年6月3日)。これら引き取り手のない遺骨は自治体が保管したのち無縁納骨堂に納められる。2018年、無縁遺骨を引き受けた自治体のなかでその数が最も多かったのが大阪市である。その数なんと2366柱、これは市内全死亡者の8.3%に相当する。同市では、無縁遺骨の数が25年間でおおよそ7倍に増えているという(小谷 2019)。
