ゲームが趣味の会社員・青峰のもとに、大学時代の友人・大村茜から結婚式の招待状が届く。しかし彼女の結婚式当日、青峰にはどうしても外せない予定があった。
それは、新作ゲーム「メグルの伝承」をプレイした仲間たちとのオフ会で――。
気鋭のミステリー作家・阿津川辰海さんによる、ゲーム愛たっぷりの一編!

 最初のドリンクが来た。青峰は右手にグラスを持ち、乾杯する。それを待ち構えていたかのように、店員がコースのサラダを持って現れた。誰かが取り分ける、というのが煩わしく、全員が各々の分を取るのがこの会の通例となっている。そもそも、食べる量も全員違う。モリシーは見た目に反して(恐らく年齢のせいで)あまり食べないし、ソニックはとにかく食う。

 ミクニはサラダだけは多めに取る。だから他の三人は、ミクニが取り箸を手放すのを待つ。これもいつもの流れ。

「さて、と」

 モリシーが口を開く。

「じゃあいよいよ開示といきましょうか」

「開示?」

「感想とプレイスタイルですよお」

「あっ、それって術式開示と引っ掛けてる? モリシーさん今更あの漫画読んだの?」

 ミクニは苦笑しながら言う。

「じゃあ、五十音順でアオくんから」とモリシー。

「ふぁふぉふぃふぃふぇ」

「多分、『後にして』って言ってる」

「……え、アオさんってそんなキャラでしたっけ?」

 ソニックの顔が薄いピンク色になっている。彼は酔うのが早い。酔うにつれて、発言量が増える。