ソニックは頭を掻いた。
「あー、一つ分ッスね。遺跡探しに集中しすぎちゃって」
「分かる~ちょっとした謎解きパズルだから、ついついやっちゃうよね」
世界の各所に点在する「遺跡」をアンロックすると能力解法に使えるアイテムが得られる。マップ全体で百六十個存在すると言われ、そのうちストーリー上必須の遺跡は三十ほどだ。この一事を以てしても、ゲーム世界の広大さが分かる。
「ちょっとちょっと、二人で盛り上がらないでよ。私だって、十時間ぐらいだけどちゃんと進めてきたんだよ」
「え、モリシーさん出勤してませんでしたっけ」
「通勤時間が長いからね。往復で二時間。電車登校の小学生の羨望のまなざしがすっごいの。あれは気持ち良かったなあ」
「それ、なんかちょっとキモいかも」
「ああごめんごめん、そういう意味じゃないから」
モリシーが慌てたように手を振る。
某製薬会社の社員だというモリシーは、役職もかなりエラいらしく、通勤時間を使ってゲームを進めている。青峰にはとてもマネできない。ゲームをする時は、必ず家でなければいけない。
この店のメインである唐揚げが提供される。拳骨サイズのものが……数えきれないほど。見ているだけで胃酸が込み上げる。
