ミクニはぎろっとソニックを睨みつけた。
「出会った時は二十九本しかゲームを持っていなかったあっさいオタクが、そんなにエラそうな口きかないでよってこと」
ソニックは顔を青紫色にして、口をパクパク動かしていた。
ミクニさん、それは違う、と青峰は反射的に言い返したかったが、出来なかった。数が人を作るのではない。たった一本しかゲームをしたことがなくても、その体験は本物だし、ゲームが好きな気持ちだって本物なのだ。
そのように反論したかったが、青峰には出来なかった。結局、自分は「体験」に重きを置きすぎていることに気付いたからだ。
――俺は……。
(つづく)
