「実は私……三十代前半と言っていたが、今年四十二なんだよ」

「……」

「……」

「……モリっち、多分みんな知ってる」

「え!? ウソ!? なんで?」

 モリシーは狼狽していた。

 ふと、青峰は熱が冷めていくのを感じた。

 どれだけ楽しみにしてきたライブや映画、飲み会でも、青峰には時折こうした瞬間が訪れるし、その傾向を自覚していた。

 途端に、全てがどうでもよくなってしまうのだ。

 神経を張り巡らせて、人に気を遣ってきたこと。少なくとも、そうあろうと努めてきたこと。会話の流れを止めないように。白けさせないように。邪魔しないように。

 ――この場にふさわしい自分であるように。