「奇人変人」扱いだった?

『風、薫る』場面カット 大家 直美と大山 捨松
(『風、薫る』/(c)NHK)

まだ海外に行った人がほとんどいない時代だけに、海外経験のある捨松も卯三郎も特別な存在だった。

「捨松も卯三郎も当時の日本人から見たら、奇妙な人、変な人の類に感じたのではないでしょうか。2人とも、どうやって日本を文明開化に導くのか考えていたし、西洋文明を日本に浸透させていく上で壁にぶつかったことがあるはず。そんな2人が、看護という道を切り拓き日本にトレインドナースを根付かせる、りんと直美を導くという設定は絶妙だと感じています」

劇中では、卯三郎がちょっと謎めいたキャラクターとして登場するが「坂東さん演じる卯三郎はミステリアス。当時の人の感覚と合致する人物造形だと感じました」と評価する。

捨松や卯三郎は、軽やかな雰囲気をまといながらも強さを感じさせる人物造形だ。「捨松には迫力があって、俳優としての多部さんの力を感じます。私が研究で元華族の方にお会いした時には、『ひいおじいさんの迫力がすごかった』とかよく言われる。捨松にせよ、卯三郎にせよ、一般の人から見ると怖かったでしょう。卯三郎は薩英戦争にも関わっているので、刀で斬り合うような時代を実体験として知っている。そういうすごみや重みがあった人物だったと思っています」