コメディーとのバランスに葛藤

刑務所を舞台にしたドラマなので、コメディーとのバランスが難しい。チーフ演出とは「こんな感じで大丈夫でしょうか?」「ここまで楽しんでいいでしょうか?」とか相談しながら進めて行きました。

受刑者の存在の裏側には、傷ついた人や悲しんでいる人たちがいる。そこは常に頭にありました。一定数、受刑者の待遇や刑務所の描写に疑問を感じる方もいらっしゃるだろうなとは思っています。ただ、注目していただきたいのは「食」がどういう効果を人に与えるかなんです。

(『ムショラン三ツ星』/(c)NHK) 

 

撮影で栃木の女子刑務所に行きました。刑務官の方たちが優しく協力してくださって、炊場も外から見ることができたんです。刑務所は高い塀があるので、中にいると外の世界から隔離され別世界にいるような気分で、さみしさと、娯楽がない世界の淡泊さみたいなものは感じましたね。

一方で、刑務所というともっと劣悪な環境を想像していたのに、綺麗な建物・環境だったので、その時もまた複雑な気持ちにはなりました。「ここの生活を経て反省したら外の世界でも頑張れる人が生まれるのかも」という思いと「いい暮らしをしているな」という思いを行ったり来たりしていました。