失われる立場

メディアは昔から企画立案から実行まで数年間のスパンがあるものが多く、口を割らないのは当たり前だったはずなのに、ネットニュースには「業界関係者からの証言」としていくつも情報が漏れている。今までそんな証人はでっち上げだと解釈していたけれど、情報を漏らす人は存在するのだと2人の男性の話を聞いて痛感した。

イメージ(写真提供:Photo AC)

ふと周囲を振り返ると私も含めて、そこそこ長く仕事をしている人間は漏洩した場合の惨事を想定できるので、口は堅い。情報交換をするとしたら、同じだけ苦労を重ねてきた、同感覚の人間だけ。中年のバッジがついているにもかかわらず、ペラペラと噂話をするスタッフは少なくとも私の周囲にはいない(と、信じている)。それが最低限のマナーであり、仕事に対するリスペクトだ。

「××くん、どうだった〜?」
「情報規制がかかっているから何も言えない。雑誌に載ってるのが全部よ」

私は下請け仕事で、著名人と呼ばれる人にはインタビューなどで日々会っている。紙媒体が減っていく最中、ありがたい。でもそんな様子を見て、年々、周囲から「噂話」を聞かれる頻度が上がってきている気がする。そして同時に自分の口を割らない防壁も高くなっている。こういう意識を持てるようになったのは、年を重ねたおかげなのだろうか。

(昔は私も彼らみたいに、自慢げにペラペラと秘密をしゃべっていたのだろうか……)

遠くなった過去のキャリアに思いを傾けつつ、情報管理について改めて褌を締め直す。古いと言われようとも、守秘意識と信用度は比例するのだから。

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