4,000匹以上のぬいぐるみと暮らす小説家・新井素子さんの日常がここに。「ぬい活」が一般化するはるか以前、「ぬい」という呼称を生み出し、社会からずっと変人扱いされてきた新井さん。「ぬいぐるみは生きている」と本気で確信し育んだ「ぬい」たちとの生活には、ただごとではない発見と幸せのヒントが詰まっていました。

ぬい名付けの大原則

TVを見ていたら、ぬいさんがいきなり叫びだす。そしてその後、会話が続く。
ちょっと前の原稿って、そういうものだったのですが……うちではこれが常態なんですが……考えてみたら、これ……納得できない方が、かなりいそうなので(というか、うち以外の家では、普通納得できないような気がしないでもない)、もうちょっと懇切丁寧に説明したいと思います。


えーと。
うちでは、ぬいさんが、私の声帯を使って、勝手に言葉を発すること、これはもう、了解事項です。私も旦那も了解しております。だから、これは、問答無用で納得していただくしかありません。
これを具体的に書いてみますと……。

えーと。話題になっているのは、カピバラさんだな。でも、この子達、結構な数、いる、な。一々個別に名前書いてもいいんだけれど、逆に、名前書くと、とても判りにくい文章になってしまうような気がします。


と、いうか。
これはもう、うちのぬいさんの名付け方に問題があるとしか言いようがないのですが……うちのぬいさんの名付け方の大原則、それは、どんな種類のぬいさんであれ……「とにかくそれがどんなぬいだかできるだけ判るものにする」です。(だって、数が凄いんだもん。)だから、カピバラなら、茶カピさん、大カピさん、ミニカピさん、ホワイトさん(白いカピ)……なんてものになるんですが……数が増えてくると。基本的にカピバラはみんな同じような色をしていて、同じような形なので……別系統として。「華の湯」(これは、「華の湯」っていう温泉宿で売っていたカピ)「海遊館」(海遊館で売っていたカピ)なんてものもあり。またまた別系統で、「別解」なんてカピもいて(この子は、詰め碁がとても好きで、中でも複数解答がある詰め碁がとても好きで、「別解があります!」って叫ぶのが凄く好きな子なので、こんな名前になった――あ、別解っていうのは、詰め碁で時々発生する事態でして、解くのに複数の手順があるものですね――)、その弟で別解が大きくなった奴が「でっかい」とか。


これ、名前で書いてしまうと……私とうちの旦那以外には、とても判りにくい文章になってしまう気がします。(というか、何が何だか判らなくなって当然だと思います。)
だから、カピバラさん、みんなまとめて書いてみましょうか。