デビュー作のミュージカル『エリザベート』で演じたルドルフ皇太子(写真提供:東宝演劇部)

小池先生は聴講の学生の中に「あ、ルドルフがいる」と思ったんでしょうか。

――どうなんですかね。今思えば、先生には何かが見えていたのかもしれません。オーディションに受かったのはビギナーズラックもありますし、ルドルフという役が僕に合っていたのでしょう。

実は当初ルドルフ役のオーディションとは知らされておらず、アンサンブルやダンサーの選抜ということでした。1000人くらいの応募者のなか、歌と踊りを見たいと言われて最後まで残ったところで、実はルドルフ役のオーディションだ、と。何人かがもう一度ルドルフのナンバーを歌い、最終的に僕に決まりました。

ちなみに僕が藝大1、2年生の頃、新国立劇場でモギリのアルバイトをしていたんです。とにかく劇場という空間が好きで、ルドルフ役でデビューする直前まで働いていた。

エリザベート役の一路真輝さんのコンサートが新国立で開催された時には、「僕はこの人と親子になるんだ」って思いながら、モギってました。(笑)

『エリザベート』は、最初は宝塚歌劇が上演し、東宝版はこの時が初めてです。それが大ヒットして、僕のデビューも華々しく盛り上げていただいた。

僕自身も、すごいな、人生の夢が叶い、しかも思ってもいなかった方向に進んでいるな、とこの時は純粋に喜んでいたんです。藝大のほうは1年半休学して、6年かけて卒業しました。

後編につづく

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