実家の玄関先で母親と並ぶ原田さん。後ろには父親が手入れしていた五葉松が(写真提供:原田さん)

子どもに迷惑をかけないように……

原田 それまで25年間、維持してきた実家を手放そうと思ったきっかけは何だったの?

松本 『クローズアップ現代+』というテレビ番組にゲスト出演したのがきっかけです。その回のテーマが実家じまいで、そのとき初めて、このままいくと実家をひとり息子に託すことになるということに気づいてしまった。

息子は東京生まれの東京育ちで、高松には縁がないですから。その息子に実家を引き継がせて、私と同じ苦労はさせたくないと思いました。

原田 僕もテレビ番組がきっかけだったな。「要らない物を売りましょう」という企画で、「何か売る物はありませんか?」ってディレクターに聞かれたので、「昔買った、長野にある別荘なら売ってもいいよ」と答えたの。

松本 別荘があるって素敵。

原田 ところが、その別荘は借地の上に建っているので売るのが難しい。そこで、「ほかに売れる物は実家しかない」と答えたら、「じゃあ、実家を売りましょうよ」ということに。

松本 かなりイケイケな企画ですね。(笑)

原田 当時の実家は、床下をシロアリに喰われて鴨居がガクンと下がり、隙間風がビュービュー吹き込んでくるような状態だったんだよ。高校時代の友人が地元で住宅メーカーの支社長を務めていたから、協力してもらい更地にして売ることになった。