俳優の原田大二郎さんとタレントの松本明子さんは、実家じまいの経験者。思い出の詰まった場所を苦労の末に手放した今、自分たちの終活も始まって――。(構成:内山靖子 撮影:木村直軌)
父が遺した言葉で実家を維持することに
松本 私は、香川県高松市にある実家を2018年に手放しました。原田さんはその少し前に実家じまいをされたそうですね。
原田 僕は14年。ちょうど70歳になったときに山口県光市にあった実家を取り壊して更地にし、庭や畑も含めて180坪ほどの土地を売ったのね。
松本 180坪! 豪邸ですね。うちの実家は庭も含めて90坪ほどでしたけど、売却するまでの25年間ずっと空き家のままで、私が管理していたんですよ。
原田 そりゃ大変だったね。
松本 私が27歳のときに高松の両親を東京に呼び寄せて以来、実家には誰も住んでいなかったんです。
原田 うちも10年以上空き家のままだったよ。親父が63歳と早くに亡くなった後、華道を教えていたおふくろがひとりで実家に住んでいた。そのおふくろが02年に亡くなって相続したんだけど、僕は東京に自分の家があるから。
松本 私も30歳のときに自分で買った都内の建売一軒家に、夫や義母と住んでいます。
原田 僕らの仕事は、東京に住んでいないと不便だからね。あっこちゃんは、なぜ25年間も空き家の実家を維持していたの?
松本 父ががんで亡くなる前、病室にお見舞いに行ったときに、「明子、実家を頼む」と言われたんですよ。その言葉が重すぎて、簡単に手放すわけにはいかないって。
原田 そりゃそうだ。お父さんの遺言みたいなものだから。