そうしていろいろ見るうちに、この団地に出合いました。偶然、子どもの頃に住んでいた家のすぐ近くだったことにも縁を感じて。リノベーションの工事中でしたが、とりあえず外から眺めるだけでも、と何度か行ってみることにしました。
約230世帯のこぢんまりした団地ですが、廊下や階段はきれいに清掃されているし、敷地の緑の手入れも十分。さらに夜に行ってみると、ほとんどの部屋に明かりがついている。ああ、こういう団地が、ちゃんと《生きてる》団地なのだと実感しました。
しかもそれ以前に、私はこの部屋の間取り図にすっかり惚れ込んでいたんですね。長年の賃貸暮らしで、2~3年に一度は引っ越しをしてきたので、間取り図を見れば大体の住み心地は想像がつきます。
オープンキッチンを備えた広いLDKは友だちをたくさん呼べそうだし、趣味の縫い物では大きな布も広げられる。楽しく暮らす自分の姿が目に浮かびました。
もちろん100%満足できる家なんて、そうそう見つからないものですよ。でもどうしても妥協できないポイントって、誰にでもあると思うんです。私の場合は大好きな料理をする台所と、一日の疲れを癒やすお風呂場に、光と風が入る窓があること。