本能寺の変の知らせを受けた勝家は…
上杉軍との戦いのため越中・魚津城にいた柴田勝家のもとへ、本能寺の変の知らせが届きます。
「おのれ! 明智ぃ~!」
怒りに我を忘れた勝家は、「わしは一人でも行って明智の首を取る!」「上様の敵を討つのはこのわしじゃー!」と叫び、家臣を蹴り飛ばし、戸を壊さんばかりの勢いで暴れ回ります。
そんな勝家の前に現れたのが、前田利家でした。
「わしもお供つかまつりまする」「上様を思うおやじ殿のお気持ちは、おやじ殿を思うわしの気持ちと同じでござりまする! 誰がとがめられましょう」
そう語りかけた利家は静かに続けます。
「とがめられるとすれば上様ただお一人」
そして、信長ならきっとこう叱るはずだと語るのでした。
「きっと上様にはどやされまする」
「この愚か者めが!これしきのことで取り乱すでない!今こそ、お前が織田家を守らずしてどうする!」
鬼の形相だった勝家の表情は、怒りから悲しみへと変わっていきます。
「おやじ殿……どうか…ご辛抱くださりませ!」
利家の必死の説得を受けた勝家は、悔しさを押し殺すように地団駄を踏み、「だあああー!成政!縄を持て!わしを縛りつけよ!」と絶叫。勢い余って柱に頭をぶつけ、「頭を冷やす!すまぬ!利家」と自らを戒めます。
一方の利家もまた額を地面に打ちつけ、こみ上げる悲しみと悔しさに震えるのでした。