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親族の手から上野東照宮へ

どちらへ進もうとしても、大きな壁に突き当たる。文字通り八方ふさがりな中であがいているような感覚で、自分のやっていることが間違っているのではないかと落ち込む日もありました。

史料の預け先について模索している中で、水戸徳川家別家のご当主、徳川文武(ふみたけ)様にご連絡申し上げました。慶喜公が一番信頼していた弟・昭武様のご子孫です。

これまでお会いする機会はなかったのですが、今回のことに真摯に相談に乗ってくださり、「上野に東照宮がありますから、そちらに相談されてはいかがでしょうか?」とアドバイスをいただきました。

意を決して、ホームページに載っている番号にお電話し、かいつまんで「墓じまい」の事情についてお伝えしてみると、禰宜(ねぎ)の嵯峨まき様とお会いできることになりました。

「お墓のことでお困りでしたら、差し出がましくなければ私どもが全て管理させていただきます」

そうおっしゃっていただけて、大変驚くと同時に、本当に? 本当に?と言いながら、私の目からは涙がこぼれていました。