妹の記憶がない
私は祖父母と両親、兄2人、妹1人の8人家族で育ちました。今では妹は親友であり一番の理解者ですが、不思議なことに幼少期の妹との記憶はほとんどありません。一人でリカちゃん人形で遊んだり、お兄ちゃんの野球やサッカーに着いていったりしたことは覚えているのに、妹との思い出だけが抜け落ちていて。きっと、自分の中で抹消しているんだと思うんです。
私が3歳のときに妹が生まれて、周りが妹をかわいがる姿を見て、耐えきれなかったのかもしれません。お兄ちゃん2人の後に生まれた初めての女の子だったので、私だってすごくかわいがられたはずです。でも子どもだったから、1度か2度の悲しかった出来事ばかり強く心に残ってしまうんですね。妹を憎んでいたわけではありません。
亡くなった父は旅行会社に勤めていて、いつも周りに自然と人が集まっていました。 毎年、大学時代の仲間やその家族を集めてキャンプやスキー旅行を企画して、何十年と交流を続けていて。誰かの悪口を言っている姿も見たことがありません。
そして、きちんと言葉で気持ちを表す人でした。母のことを「世界一愛してる」って言っちゃうような。父のそんなところが好きだったので、私も大切な人への思いをきちんと伝えられる人になれたらいいなと…。
もし自分が子育てをするなら…ですか? 私の妹みたいになれたら素敵だなと思います。妹は、自分の娘を叱った後に、怒った理由と、嫌いだから怒ったわけじゃないことを伝えて、最後には「大好きだよ」と言ってちゃんとハグして仲直りするんです。その姿を見たときには泣きそうになってしまって……。姪が少しうらやましくて。親子であっても、言葉にして伝えることは大切ですよね。それで言うと、私は「filty」を子どものような存在だと思って立ち上げたので、子どもの成長を見守っていける場所として育てていけたらと思っています。
「filty」を続けているのも、振り返れば自分が母にしてほしかったかったことを、自分自身で経験していっているのかもしれません。私は母に肯定してもらったり、「いつもそばにいるよ」ということを言ったりしてほしかったのかな、と。この活動を続けていくことで、自分の心の奥にある闇とも向き合えるのかな、と思えるんです。