あなたの方も気をつかって
私は医学に詳しくはありませんが、子宮筋腫という病気をもった人は、私のまわりにたくさんいます。それでも結婚して立派な子供を産んだ人もいます。息子さんがかわいそうだとお思いなら、お嫁さんがぐあいが悪い時は、食事の支度など、もしあなたが出来なければ、妹さんにさせたらいかがでしょう。
そして、いい病院へ安心して通うようにしてあげることです。あなたの娘さんが結婚して、もしそんな目にあったら、きっとあなたもおっしゃるでしょう(夫婦仲さえよければ、それでいいはず、子供が出来ないで離婚されるなんてそんなバカな……)と。
年をとったお母さんに強いことを申し上げましたが、3DKに姑、小姑と一緒に暮らしているお嫁さんの方にも、何かと気苦労があることでしょう。もし気にいらないことがあっても若夫婦と同居したいと願う以上は、あなたの方も気をつかってあげることです。
それでないと、そんなおとなしすぎて、ろくにものも言えないような息子さんが、母と妻の間にはいってオロオロして、それこそかわいそうですものね。
(「毎日新聞」1969年6月1日)
※本稿は、『わたしの人生案内』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。
『わたしの人生案内』(著:沢村貞子/中央公論新社)
恋愛・結婚、人間関係、介護、死別、生きがいについて……随筆家としても知られる名脇役の下にさまざまな悩みが寄せられた。
ときに厳しくも機微にふれる回答には、二度の離婚と三度の結婚を経て、人生の裏表を知った著者の濃やかな優しさがにじむ。
初書籍化となる新聞連載の人生相談83篇に、女性の生き方をめぐる随筆を併せた一冊。





