祖母が人を大事にしたのは
祖母は友人も仲間も多い。共に戦争を潜り抜けた女学校時代の友人、金のない時代に腕を鍛え合った文学仲間、共に著書を作り上げた仕事相手。祖母は知り合った人を大事にする人間だったが、大事にしていた人は皆、祖母を置いて逝ってしまった。
時々ファンタジー漫画などで、エルフやバンパイアといった長命の異種族が「人間と仲良くしたってすぐに死んで、私たちを置いていく」みたいなセリフを言うことがあるが、そういうシーンを見るたびに「うちのばーさんじゃん」と思う。
『思い出の屑籠』という作品は、もう誰とも共有できない思い出をどうしても誰かと分かち合いたくて書いたものだった。祖母が人を大事にしたのは、人一倍寂しがり屋だからである。
今は人がたくさんいる場所で、思い出の中に生きる祖母は寂しさを感じることはなくなっただろう。
しかし、祖母の体には孤独が埋まっている。晩年の祖母の著書を読むと、祖母の寂しさに少しだけ寄り添える。











