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100万部突破の『九十歳。何がめでたい』(2016年、小学館 )をはじめ、ユーモアエッセイで長く人気を博した作家の佐藤愛子さん。家族からみた佐藤愛子さんの姿とは。孫の杉山桃子さんがコミックとエッセイで描く『婦人公論』の連載「うちのばあさん102歳」。第16回目は「ばーさんは食べるのがお好き」。
※去る4月29日、佐藤愛子さんが102歳で逝去されました。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。こちらは、佐藤さんが亡くなられる前に書かれた原稿です。
※去る4月29日、佐藤愛子さんが102歳で逝去されました。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。こちらは、佐藤さんが亡くなられる前に書かれた原稿です。
ばーさんは食べるのがお好き
祖母が施設に入って1年半近くが経とうとしている。我々家族は祖母がいない生活にだいぶ慣れてきた。祖母の住んでいた1階のドアが開く音にビクつくこともなくなったし、帰る時間を気にせず外出ができるようになった。
それでもやはり時々、無意識に祖母のことを思い出す瞬間がある。
祖母の朝食にちょうどよさそうなパンが売られているのを見かけた時、紅茶が好きだった祖母が喜びそうなお茶っ葉を見つけた時、焼き芋屋さんで祖母の好きなホクホク系のお芋を買った時……。
