イタリア人男性のアプローチ
かつて、イタリアをゆっくりひとり旅などしたことのある女性であれば、若者と限らず、年輩男性からウィンクをされたり、言い寄られたりした経験がある人は少なくないはずだ。妻子があっても、あなたと恋愛モードにチェンジするスタンバイはいつでもできています、と言わんばかりのアプローチは、ロマンティックな男性が多いとされるラテン系の国々と比較しても、イタリア人が卓越している。
女性に言い寄るイタリア人の既婚男性は、みなどこかかつてのイタリアの銀幕のスターであるマルチェロ・マストロヤンニのような、強気でわがままなのにアンニュイ、責任感があるようで意志はどこか脆弱、大人だか子供だかわからないニュアンスを纏うのが得意である。
結婚という一生の約束事をしたはいいけれど、自由への願望が捨てきれない、夫としてでも父親としてでもなく、一人の男として自分を見てくれる女性が必要だという強烈な願望が、あのような取り留めのない佇まいを作り上げるのだろう。
若い頃は情熱一途で相手に対し「君こそ全て」と結婚をしたところで蜜月はあっという間に終わり、気がつけば恋人も妻も通り越してマンマという絶対君主として家庭に君臨するようになる妻に辟易はしても、彼らは新しい出会いの可能性まで萎えさせてしまうわけではない。妻から離れる勇気は持てなくても、妻以外の誰かを想って胸を高鳴らせる喜びを抑えることはない。
