まっすぐに人と向き合える
<吾郎は、佐賀出身で農家の三男として育った。陸軍近衛師団の軍人だ。直美との出会いは、幼なじみを見舞うため、帝都医大付属病院を訪れた時。差し入れのルールを守らずに直美に怒鳴りつけられた。看護婦として毅然と働く直美に惹かれ、求婚するも一度は断られる。だが、りんに背中を押され素直になった直美から求婚され、結婚に至った>
吾郎は相手を尊ぶことができる人だと感じています。吾郎のようにまっすぐに人と向き合える人は当時も今も珍しいのではないでしょうか。直美に会った時も、女性として惹かれたというよりは「信念を持った人としてかっこいい」と感じて、心が動くものがあった。「人としてのかっこよさ」にどっぷり惚れてしまったんです。吾郎はあきらめない心の持ち主でもありますが、そこは僕も似ているところです。
近衛師団の役割は天皇陛下を守ること。吾郎は、国を守ることが家族を守ることにもつながると思っています。明治の軍人役なので、所作指導や軍事所作指導もあり、撮影当初は苦労しました。今でも忘れられないのが、クランクインの日。佐賀弁で長いセリフを言うシーンでした。佐賀弁で軍人としてお芝居をするので、いろいろな感覚をフル稼働させたのは覚えています。お芝居では、不思議と軍服を着ると背筋が伸びました。軍服姿と浴衣では口調も姿勢も自然と変わるので、衣装がお芝居に与える影響を実感しました。
役作りのために、時代背景や近衛師団について調べた結果、「1人の人間である」ということを忘れないようにしようと決めました。そして、台本を読むほどに、「明治の人物だからこう演じたほうがいい」と落とし込む必要がないように感じました。「時代の変化の狭間にいる青年」だと感じたんです。