軍人としての変化

<日清戦争が始まり、軍人の吾郎はいつ招集されてもおかしくはない状況に。そんな中、直美の妊娠が発覚。吾郎と直美は子どもの名前を考え、男でも女でも「明」と名付ける。だが、出産まであと少しという時期になって吾郎の出征が決まった>

出征のシーンは特に心が動きました。自分の中で、走馬灯のように吾郎のこれまでの心の動きをなぞったんです。

吾郎は、直美と出会う前は、国のために自分の身を捧げるくらいの気持ちで軍人として仕えていたけれど、子どもができてその名前を考えたときに軍人としての気持ちが初めて、揺らぎました。

(『風、薫る』/(c)NHK)

生まれてくる子どもの名前を考えることは、未来を考えること。なのに、自分はいつ出征するのか分からない。名前を決めても会えるのか分からない。「帰れなかったらどうしよう」と考えたのは小川にとって、多分初めてだったでしょう。

「直美のために帰ってきたいという」思いはもちろんあったけれど、心の底から「帰ってきたい」と願ったのが子供の名前を付けている時でした。