青木さんの飼っている猫のクティとシティ(左から)

「なんで仲良くできないの?」

私が離婚したのは娘がまだ2歳の時だったから、娘の反対はなかったが、幼稚園に入って友達のお宅にいくと、そこにはパパがいるので、「なんで、うちはパパが住んでないの?」と聞いてくるようになった。

「ママもパパもあなたが大好きなんだよ。でもママとパパは一緒にいるとケンカしてしまうから別々に住むことにしたの」

「仲良くしたらいいじゃん」

「それが難しくて。でもパパとママはあなたがとても大切なの」

「仲直りしなよ」

「はい。仲良しだよ。はい。前より。はい」

「じゃあパパも一緒がいい」

「それが、なかなか、それは、それだけは、できないのだが……」

「なんで仲良くできないの?」

このやりとりを100回はしてきたと思う。

なぜ仲良くできないか。

これはこちら側だけが答えるのは難しい。どんな相手とでも仲違いしたとき、こちらの記憶とあちらの記憶は違うだろうし、まさかこんなことで傷ついたとは? とお互い思っているだろう。

私側の理由として、たとえば。

私の、実の母に対する態度や憎しみみたいなものを、彼は否定した。味方になってよ〜、私がツラいのよ〜、という私の願いは通らなかった。

金銭面の葛藤もあった。私は貧乏なところからお金持ちになって贅沢したかった。彼は地に足のついた感覚の人だったので、事あるごとに私を贅沢だ、と詰めた。私は彼のプライドを傷つけないようにという思いもあり、旅行にいくのも服を買うのも、「これは貰ったから」と嘘をついて、実は私が出していたりもした。